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行政書士に、どんなことを頼めるの?
行政書士は、役所に出す書類や、権利・義務や事実を証明する書類をつくる国家資格者です。法律で決められた仕事の範囲、頼めることの例、ほかの専門家との境目、2026年1月の改正をまとめました。
2026年9月29日時点の法令と公的な案内をもとにした、一般的な説明です。
行政書士は、役所に出す書類や、権利・義務や事実を証明する書類をつくる国家資格者です。法律で決められた仕事の範囲、頼めることの例、ほかの専門家との境目、2026年1月の改正をまとめました。
行政書士は、何をする人?
行政書士法では、行政書士の仕事を次のように決めています(行政書士法1条の3、1条の4)。
- 役所(官公署)に出す書類をつくること
- 権利・義務や事実を証明する書類(契約書など)をつくること
- つくった書類を役所に出す手続きを、代わりに行うこと
- 契約などの書類を、代理人としてつくること
- こうした書類づくりについて、相談に応じること
ただし、ほかの法律で別の資格者の仕事とされているものは、行政書士は扱えません(行政書士法1条の3第2項)。
どんなことを頼めるの?
役所に出す書類や、権利・義務に関する書類の例です。実際に扱う業務は、事務所ごとに違います。
- お店・事業の許認可の申請:飲食店などの営業許可、建設業の許可、古物営業の許可など
- 農地を農地以外に使うための許可の申請(農地法4条)
- 外国籍の方の在留資格の申請書類
- 自動車の名義を変える手続きの申請書類
- 相続人と財産を整理する書類、遺産分割協議書など、話し合いがまとまっている場合の書類
- 株式会社の定款、NPO法人の設立の申請書類
- 契約書、合意書、議事録
在留資格の申請では、所属する行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士が、本人に代わって申請を取り次げる仕組みがあります(出入国管理及び難民認定法施行規則6条の2など)。届け出た弁護士も同じです。
ほかの専門家の仕事になるものは?
士業ごとに、法律で仕事の範囲が決められています。代表的な境目は次のとおりです。
- 登記の申請の代理(不動産・会社):司法書士(司法書士法3条)
- 裁判所に出す書類(相続放棄の申述書など)の作成:司法書士(司法書士法3条)、弁護士
- 税の申告の代理、税の相談:税理士(税理士法2条・52条)
- 労働・社会保険の申請書類の作成と、その提出の代行:社会保険労務士(社会保険労務士法2条・27条)
- 相手のいる争いでの交渉、代理、裁判:弁護士(弁護士法72条)
許認可の処分に不服があるときの審査請求などの手続きは、所定の研修を終えた「特定行政書士」が代理できます(行政書士法1条の4第1項2号・第2項)。
2026年1月に何が変わった?
2025年6月13日に公布された改正行政書士法(令和7年法律第65号)が、2026年1月1日に施行されました。改正の前と後の条文を比べると、主に次の点が変わっています。
- 1条が「目的」から、行政書士の「使命」に変わりました(行政書士法1条)。
- 行政書士の「職責」の条文が加わりました。品位を保ち、法令と実務に通じることに加えて、デジタル社会の進展を踏まえた取り組みに努めることが書かれています(行政書士法1条の2)。
- 行政書士でない人の業務の制限に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という言葉が加わりました(行政書士法19条)。
- 特定行政書士が代理できる不服申立ての対象が、行政書士が「作成した」書類に係る許認可等から、行政書士が「作成することができる」書類に係る許認可等に変わりました(行政書士法1条の4第1項2号)。
総務省は、行政書士でない人は「手数料」や「コンサルタント料」など、どんな名目でも、対価を受けてこうした書類づくりを業として行えないと説明しています。
頼む前に、何を整理しておけばいい?
- 何をしたいか(例:お店を開きたい、在留期間を更新したい)
- いつまでに必要か(営業を始めたい日、在留期限、手続きの期限など)
- 手元にある書類(役所からの通知、登記事項証明書、在留カードなど)
- 分からないこと
- 費用について聞きたいこと
行政書士は、仕事で受ける報酬の額を、事務所の見やすい場所に掲示することになっています(行政書士法10条の2)。頼む前に、頼む業務の範囲、報酬、役所の手数料などの実費を分けて確かめると、比べやすくなります。
自分で手続きしてもいいの?
多くの申請は、本人が自分で行えます。申請先の窓口が、記載例や手引きを公開していることもあります。まず申請先の案内を読んでから、頼むかどうかを決めてもかまいません。
行政書士の登録は、どうなっている?
行政書士として仕事をするには、日本行政書士会連合会に備える行政書士名簿に登録を受けます(行政書士法6条)。登録を受けると、事務所のある都道府県の行政書士会の会員になります(行政書士法16条の5)。気になるときは、登録番号や、所属する行政書士会を尋ねてみてください。
まとめ
- 行政書士は、役所に出す書類や契約書などをつくり、提出の手続きを代わりに行う国家資格者です。
- 登記は司法書士、税は税理士、労働・社会保険は社会保険労務士、争いは弁護士と、法律で境目が決まっています。
- 2026年1月の改正で、行政書士でない人の書類づくりの禁止が「いかなる名目でも」と明確になりました。
この記事について
作成:LawPro編集部(LawProの運営者がつくる情報サイトで、士業の事務所ではありません。個別のご相談は受け付けていません)
確認日:2026年9月29日(下の出典と照合した日)
監修:一般的な情報で、士業の監修は受けていません。
個別の判断は専門家へ:この記事は、個別の事案に当てはめた判断ではありません。自分の手続きをだれに頼めるかは、申請先の窓口や専門家に確かめてください。
専門家を探す:LawPro(https://lawpro.jp/)
出典
- 行政書士法(昭和26年法律第4号)1条・1条の2・1条の3・1条の4・6条・10条の2・16条の5・19条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004
- 行政書士法の改正前の条文(2025年10月1日施行時点)— e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004/20251001_505AC0000000053
- 総務省「行政書士制度」(改正行政書士法の公布日・施行日・法律番号・業務の制限の説明):https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html
- 農地法(昭和27年法律第229号)4条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和56年法務省令第54号)6条の2・19条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/356M50000010054
- 出入国在留管理庁「申請等取次制度」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00262.html
- 司法書士法(昭和25年法律第197号)3条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197
- 税理士法(昭和26年法律第237号)2条・52条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237
- 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)2条・27条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089
- 弁護士法(昭和24年法律第205号)72条 — e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205